アレルギー、免疫と微生物

週末から4日間、ボディートークのセミナー「ボディーエコロジー」を受講していました。

 

講師は分子生物学者で、ボディートーク施術士のローラ・ストゥヴェ博士(Laura Stuve, Ph.D)です。

 

この講座は、近年研究が進んでいるマイクロバイオームについて、ボディートークの見地から学びます。

 

マイクロバイオームとは、腸や目、呼吸器、皮膚などに生息する微生物で、ウイルス、バクテリア(細菌)、寄生虫、真菌類を指し、その数は60兆と言われるヒトの細胞数を遥かに上回ります。

 

ウイルスや菌、寄生虫などと聞くと病気を引き起こす原因と思いがちですが、彼らは消化や免疫系などの多くの生理機能を私たちの細胞と協力して行っていることが近年明らかになったのです。

 

つまり、体内で行っていると思われていた非常に多くの仕事を、実は微生物たちにアウトソーシングしていたという訳なのです。

 

 

サルモネラ菌(Wikipediaより)
サルモネラ菌(Wikipediaより)

 

ところが私たちは子どもの頃から「菌=悪」と教えられていますから、細菌やウイルスは「病気を引き起こすもの」と捉え、菌を排除することが健康につながると信じて抗菌・除菌生活を心がけてきました。

 

今回のセミナーでは、それがいかに間違った考えであったか、またその考えに基づく近代的な生活様式こそがアレルギーや多くの病気・症状に関係しているかを学びました。

抗生物質の摂取についても改めて考えさせられます。

 

 

また、子どもを育てるときの生活環境も見直す必要があるようです。

  

例えばあなたがこんな環境で育ったとしたら……

 

・兄や姉がいる(特に兄)

・子供の時に手や顔をあまり洗わない

・細菌がいっぱいの家で育った

・家畜のいる農家で育った

・犬を飼っていた

・感染症にかかった(糞便や口腔の汚染からなる)

・ヨーロッパの西洋圏ではなく共産圏で育った(衛生に関する整備に置き換えるといいでしょう)

  

 

いかがですか?

 

上記の項目は、将来健康な生活を送るために必要なマイクロバイオームを取り入れる機会となり、それが少ないとアレルギーになりやすいそうです。

 

私は結構あてはまりますが、アレルギー体質ではありません。

兄もいますが、兄は姉よりも汚いからだそうです(笑)

(自然分娩で生まれたか、母乳で育ったか、抗生物質を摂取したことがあるかなども大いに影響します。)

 

更に興味深いことに、マイクロバイオームの個々人のバランスの違いが、アレルギーやその他の疾患だけでなく、性格、感情、食習慣、肥満にまで影響を及ぼすのです。

 

例えば、「甘いものが止められない」と悩んでいる人は少なくないと思いますが、それは意思が弱いのではなく、実はマイクロバイオームのアンバランスが原因で、彼らが私たちに甘いものを食べさせているからだそうです。

 

では、マイクロバイオームを理想的な状況にするにはどうしたらいいでしょうか?

 

アンバランスを補うことのできる健康な第三者のマイクロバイオームを移植する方法がそのひとつです。

つまり腸内マイクロバイオームにアンバランスがある場合は、糞便移植をする。

 

でもそれって……

抵抗がある方も少なくないでしょうし、誰にでも出来る手軽な方法とは言えません。

 

 

しかし、この新たな発見をボディートークのテクニックに取り入れることで、糞便移植することなく、マイクロバイオームと各臓器や生理機能とのアンバランス、およびマイクロバイオームと感情、信念、思考パターン、過去の体験やトラウマとの関係のバランスを取り、結果的に症状となって表れたアレルギーや心身の問題を改善できるのです。

 

これこそがボディートークの真骨頂と言えるでしょう。

 

 

Dr. ローラ・ストゥヴェはセミナーの最終日にこんなことも言っていました。

健康を取り戻すには、まず家の中から「抗菌〇〇」というグッズをなくしましょう、と。

 

4日間のセミナーで脳がかなり疲れましたが、しっかり復習をしてテクニックを落とし込み、セッションに生かしていきたいと思います。

 

 

 

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