Tタッチのアプローチのひとつに「ボディーラップ」があります。
体に巻く伸縮性のバンテージで、包帯のように見えるので「怪我?」とよく聞かれますが、いえいえ、そうではないのです。
百聞は一見にしかず、で自分に巻いてみると効果を実感……となるのですが、動物に自ら意識を持ってほしい体の部位に巻くことで、意識が弱くなっていた体の部分を再認識し、動く際に体を上手に使えたり、脚の運びが改善したり、恐怖心を和らげるといった効果が、ボディーラップにあります。
また、この写真の馬と同様多くの馬が首に緊張をためていますが、その緊張の緩和にも有効です。
この黒鹿毛さんは、馬場に出るととてもよく運動するそうですが、馬房に人が近づくと過剰に反応したり口が出たりするとのことで、クラブの方からご相談がありました。
まずはデビー先生による馬の顔相の観察です。
耳の形や付き方、額の幅、鼻面の形、口の形や長さ、鼻などに、その馬の性格が表れるので、それらを総合的に見てワークを行います。
また、昔から「名は体を表す」と言いますが馬も例外ではなく、名前の持つイメージや意味合いに馬の性質が近づくのだそうです。
名前を聞いたときに私たちが思い浮かべるイメージのエネルギーが動物に伝わるとのこと。確かに犬にも同じ事が言えるように思います。
なので、イメージが怖かったりネガティブだったりする場合は、改名するか、それが難しい場合はだれもが笑顔になるようなニックネームを付けてあげるとよいそうです。
命名って、大切ですね。
この栗毛さんも顔相をみながら、気になる行動にどうアプローチできるか、ワークに協力してもらいました。
彼は、脚立(踏み台)を怖がるという問題があり、観察をすると平均的な馬と比べて目が引っ込んでいるので、通常より視野の制限があることが想像できました。
実際、頭の周辺に近づくものに対してかなり過敏に反応します。
デビー先生の誘導で全員で観察して、この栗毛さんに何が有効か考えました。
私も中に入ってワークさせてもらいました。
タッチのアプローチから入り、頭部にラップを巻いて、自分の体の境界線を再認識させて、境界線の外側の世界には過剰に反応する必要はないことを知らせます。
次に馬場に出てグラウンドワークを行いました。
刺激に対して、過剰に反応する必要のない「許容範囲」を少しずつ広げて、脚立に近づけるように段階的にワークしていきました。
最終的には、当初お悩みだった状況をクリア!
この栗毛さんも自信が持てたことと思います。
私もこのワークの時にリーディングをさせていただき、とても勉強になりました。
これは、私のリクエストでやっていただいたもので、馬がハミをどのように感じているのかを人間が体感するワークです。
もうこれを体験すると、随伴の大切さはもちろん、力強く手綱を使うことは出来ないと実感します。
もっともっと拳を柔らかくしなくてはと大反省(>_<)
頭絡があればできるので、とてもオススメの方法です。
こちらは、先輩プラクティショナーと偶然おそろいのTタッチポロシャツだったのが嬉しくて、ツーショットをお願いした、番外編写真です(笑)
あっという間の4日間のワークショップ。
まだまだ書き尽くせませんが、今回WSで学んだことを日頃の馬との時間や、動物たちとの時間にいかしたいと思います。
また来年3月の開催が今から楽しみです。
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