がんの治療法を決める(2)

ゴールデンウィークも後半に差し掛かりました。

この時期になると思い出すのが、8年前のゴールデンウィークです。

その時私は子宮頸がんの治療や予後について、連日朝から晩まで情報収集していました。

 

同じ年の4月上旬に子宮頸がん切除のための手術を受けました。

しかし退院して最初の受診の際に、主治医から追加の手術や治療が必要かもしれないと告げられました。

その時に、どのような治療になるのか、おおよその説明を受けました。

 

正式な検査結果は連休明けの予定でしたが、私は結果が“黒”だった場合に備えて、主治医から説明された治療法でいいのか、他の可能性はないのか、また予後や再発の可能性など、次の受診日までにできる限りの情報を集めました。

 

日本での標準治療について調べた後に、同じステージの場合のアメリカでの治療について調べてみました。

興味深いことに、アメリカの標準治療は日本とは異なっていました。当然、患者への侵襲性の違いも生じます。

更にリンパ節郭清に伴うリンパ浮腫患者への教育や術後ケアも、日本と海外とでは異なり、日本はかなり遅れていました。

医学が進歩しながらも、がん医療に差があることに驚きました。

 

また、私が手術を受けた2009年の数年前までの「標準治療」は、子宮頸がん摘出手術では(進行によりますが)卵巣も摘出されていました。転移の可能性を排除するためです。

しかしそれから数年後には、子宮頸がんのがん細胞が卵巣に転移するのは稀であることがわかり、その後の「標準治療」では卵巣を温存するようになりました。

 

手術にしても放射線治療にしても抗がん剤にしても、副作用や後遺症を伴いますし、がんは取り除けても、後遺症やQOLの低下は生涯にわたって自分が抱えていかなければなりません。

つまり、たとえ日本で「標準治療」とされる治療法を選んだとしても、それはあくまでその時点での標準であって、医師から提示された治療法を最終的に選択するのは自分なのです。そして選択には責任が伴います。

 

私が当時出来る限りの情報を集め、その治療が納得のいくものかを検討したのは、がん医療で有名な病院で勧められた治療を受けるのも、その病院で受けるのも、その主治医に受けるのも、すべては自己責任と考えていたからです。

 

連休が明けて5月の半ばに再度受診すると、断端陽性(がん細胞が切除した部分に留まっていない状態)のために、やはり追加治療が必要だと告げられました。

 

幸い今もこうして元気でいるのは当時の治療のお蔭であり、医学の進歩があったからだと思っています。

しかしその進歩の陰には、残念ながら命を繋ぐことが出来なかった女性たちと、その家族の悲しみがあることもまた、決して忘れることはできません。

 

医学が日進月歩というのは、医学がまだ未成熟だからと言いかえることも出来るでしょう。

 

西洋医学を否定しているのではありません。

必要な人や必要な場面は多々あります。

 

しかし、一度目のがん治療とその後遺症を体験して、がん治療について考えた、そして生じた疑問が、いまの取り組みに繋がりました。

 

 

がんの治療法を決める(1)

 

 

※がんと自然治癒の記録、更新しました(2017/5/2)