この曲は、バロック時代のフランスの作曲家、クープランの「恋のうぐいす」です。
最初にこの曲を聴いたのは、大好きなフルートの時代楽器奏者、有田正広氏のピッコロによる演奏でしたが、うぐいすたちが飛び交う姿が目に浮かぶかのような、生き生きとしたメロディーにすっかり魅了され、以来お気に入りの曲となっています。
先日、ふとこの曲が吹きたくなって譜面を入手しようとパソコンで調べていると、ベランダの手すりでカツンッという音がしました。
風で何かが飛んできたのかとその方向に目をやると、一羽のハトが留まっていました。
しばらくするとパートナーらしきハトもやってきて、二羽は徐々に近づき、コミュニケーションをとるかのようなしぐさを見せてくれました。
シャッターチャンスは逃したのですが、二羽はさらに近づいて顔を寄せ合ったりして、何とも微笑ましい光景に気持ちがほっこりとしました。
地元武蔵関でも微笑ましい光景がみられます。
毎年この季節に駅の階段を上り下りしていると、
頭上を小さな黒い影がヒュッと通り過ぎるのに気づきます。
ツバメの巣作りの季節です。
いつも同じ場所にあるので、古巣を利用しているのかもしれません。
駅の構内なんて一見巣作りには向かない場所のようにも思いますが、外敵に狙われやすいツバメにとって、始終人が行き来するこの場所は、人間の往来と夜間の駅のシャッターというふたつのセキュリティーシステムが24時間稼働している、なかなか理想的な場所のようです。
彼らも子孫を残すために、ヒナを安全に育てられる場所を賢く選んでいるのですね。
実はこの場所、駅の階段の壁なので彼らの落し物が通行人の頭にポトリ、となってしまう場所でもあるのです。
そのため、左の写真のような糞除けのボードが巣の真下に設置されています。
ツバメの巣は通りがかりのわたしたちにとっては微笑ましいものですが、民家の軒下に作られると家主さんは糞害に悩まされることになり、翌年は駆除対策をすることもあると聞きます。
このボードは武蔵関の駅員さんが作ってくれたのでしょうか。
ツバメと通行人双方への配慮に、またまたほっこりとした気持ちになりました。
「ツバメが3回巣をつくる家は縁起がいい」と言われるそうですが、スマホのカメラを向ける人も多く、わたしたちも彼らの存在に癒されているのを感じます。
もうじきツバメの子育てがみられるこの季節は、駅を通るのが楽しみになります。
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