ペット中獣医学勉強会

写真1:茯苓(ぶくりょう)の原型 黒いものが皮付き、白いものが皮をとったものです
写真1:茯苓(ぶくりょう)の原型 黒いものが皮付き、白いものが皮をとったものです

 

中獣医学研究会に参加しました。

 

今日は、わたしたちも耳にしたことのある漢方薬の「茯苓」に関する講義がありました。
茯苓はアカマツやクロマツの根に寄生する、サルノコシカケ科のマツホドの菌核だそうで、掘り出された茯苓は巨大な黒トリュフのようです。
茯苓は腎や胃、膀胱など、体表ではなく体の深い部分の余分な水分をとる作用があり、水毒体質に向く漢方薬だそうですが、勉強会後半に行われる症例検討会でも、尿路疾患のある猫への処方に茯苓があげられていました。

 

この講座の中で、講義を担当された漢方医の先生が長野方面へ茯苓を取りに行った際の犬にまつわる面白い話を聞くことができました。

 

同行したメンバーが犬(紀州犬のミックス)を連れていたそうなのですが、その犬が臭いを頼りに茯苓を嗅ぎつけてここ掘れワンワンとやり、実際にその場所を掘ってみると、本当に茯苓が出てくるのだそうです。
ヨーロッパでトリュフ犬なるものがいるお話は先日書きましたが、茯苓犬という子たちもいるのでしょうか。

 

 

写真2:漢方薬に処理された茯苓
写真2:漢方薬に処理された茯苓

 

掘り出して乾燥させた茯苓(写真1)は特に強い臭いを放つものではなく、微かな香りを感じる程度です。
そして、外皮が除かれて製品になったもの(写真2)は、ほとんど無味無臭です。

 

ひとかけら頂いたので、帰ってドルチェの反応を見てみました。

 

 

 

 

鼻先に持っていくと、興味深そうにクンクンと臭いを嗅ぎ、パクッと口に入れようとしました。
試しに小さなかけらを差し出すと、口に入れるものの出してしまうのですが、臭いは気になるみたいでずっとクンクンやっています。
何の成分に反応してるのか、とても興味深いです。

 

ドルチェの反応をfacebookにアップしたら、研究会に同席していた獣医師の先生が、「多分、今は必要ないのですね」とコメントしてくださいました。

 

漢方の煎じ薬は、証に合う(必要な)時は苦く感じないといいます。

生き物は本来、何を必要としているのかを潜在的にわかっているのでしょう。

 

わたしたち人間は、テレビやネットなどで「〇〇が体にいい」と聞くと、食材でもサプリメントでも、積極的にそれを取り入れて健康維持に努めようとしますが、もしかしたら「証」に合わないものを取り込んで、かえってバランスを崩している、という可能性もあるのかもしれません。


体に良いと聞くと「自分の体にも良い」と思いがちですが、補う(足す)ことについて立ち止まって考えてみると、本来のバランスを取り戻すきっかけになるのかもしれないですね。


体の声を無視してしまいがちな日々の暮らしを少々反省した今日の勉強会でした。