以前にもまして外国人観光客が増えた仲見世の、ほとんど日本語が聞こえてこないほどの国際色豊かな賑わいにちょっと驚きつつも、外国の方がどんなものに日本らしさを感じているのだろうと興味をもって見てみると、手にするもの、カメラを向けるものも私たちとはちょっと視点が異なるので面白いです。
そんな様子を眺めながら仲見世と浅草寺を通り抜け、観光客も見かけなくなったあたりの裏道にもう一軒のお気に入り、甘味の「梅むら」があります。
ここの豆カンが大好物なのですが、豆カンも食べ比べるとその店ごとに味わいがずいぶんと異なるので面白いです。
梅むらは豆の煮方が素晴らしく、素材自体も選りすぐりだということはわかりますが、季節や気温、豆の状態等により仕込み方を変えて一年中同じ味わいを出しているのでしょう。
寒天も天草の香りがとてもよく、上品な黒蜜の甘さとのバランスがご機嫌で、わたしは梅むらさんのお味が大好きです。
ぽってりとした器にたっぷり盛られた寒天が、これまた隠れてしまうほどに載せられた沢山の豆。みつ豆は豆が添え物のような印象を受けますが、豆カンは豆を美味しくいただくための甘味のように思います。
ここの豆カンはわたしの母も好物なので、お土産に持ち帰りをひとつお願いしました。
ドルチェにも歳の数だけ豆をわけてあげました。さすがに寒天はあまりお気に召さなかったようですが……
そんな豆カンよもやま話をFacebookでつぶやいたら、神楽坂の「紀の善」の豆カンも豆の炊き方が秀悦でお勧めとの嬉しい情報をいただきました。
早速行ってみたいと思います。
雨傘、藪蕎麦、梅むらと、久しぶりの浅草は忘れ物からの思わぬ展開となりましたが、老舗ならではの気持ちの良い接遇や変わらぬ味わいを堪能し、充実の途中下車となりました。
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